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2005年 03月 18日

【訃報】SF作家 アンドレ・ノートン

a0000270_217471.jpg米のSF作家アンドレ・ノートンが亡くなられました。
17日心不全のためテネシー州の自宅で死去。93歳。

ノートンの作品というと創元の「ウィッチ・ワールド」シリーズか「ゼロ・ストーン」が印象深いかとも思うのですが、映画原作という点からするとやっぱり「ビースト・マスター」!
あまり知られていないようなんですが「ミラクルマスター/七つの大冒険」(82年)の現在はクレジットされていないらしい原作(笑)。

「ファンタズム」(先日また新しい作品が作られるとニュースに)のドン・コスカレリが監督、「V」のマーク・シンガーと「シーナ」のタニア・ロバーツが出演。
動物と意思の疎通が図れる青年(シンガー)が、邪悪な司祭に立ち向かうというコナン風なヒロイック・ファンタジー。
 
原作はいわゆるスペース・オペラで、映画化で残っているのは設定の基本的な部分とタイトルのみ(一説によるとやはりノートンはこの映画、気に入らなかったらしい)。
映画がヒロイック・ファンタジーになったのは、同時期ジョン・ミリアスの「コナン・ザ・グレート」と関係あるのでしょうか。

91年に作られた続編の「ミラクルマスター II/L.A.時空大戦」になると主人公が現代にやってきちゃったり、やりたい放題。
それでも82年映画版を踏襲した99年から放送のTVシリーズ「BeastMaster」見たいなあ、と常日頃から思っているのはトラだのライオンだのが出ているせいだったりして。
BeastMaster
そういえば、映画は生頼範義先生のポスターもよかったですなあ(私はチャリエンだと、ファラ・フォーセットとタニア・ロバーツが好きという変り種。もちろん、「シーナ」も好きでやんす)。

表紙 ビースト・マスター ハヤカワ文庫SF(早川書房)
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by hamchu | 2005-03-18 21:04 | 映画と原作者 | Trackback(2) | Comments(0)
2005年 02月 28日

アカデミー賞作品賞に「ミリオンダラー・ベイビー」

a0000270_84957.jpg第77回アカデミー賞の結果が発表になりました。
作品賞、監督賞(クリント・イーストウッド)、主演女優賞(ヒラリー・スワンク)、助演男優賞(モーガン・フリーマン)を受賞したのは「ミリオンダラー・ベイビー」 原作のある作品です(笑)。

「ミリオン・ダラー・ベイビィ」はF・X・トゥール(本名ジェリー・ボイド)の作品集「Rope Burns: Stories From the Corner」(邦題「テン・カウント」)中の1篇。
トゥールは様々な職についた後、50近くになってボクサーを志し、その後トレーナーに転じた人物。96年に心臓発作を起こしたのを機に筆を執り、70歳にして発表したのがこの作品集。

F・X・トゥールは既に亡くなっているので、遺族エレン・パトリシア・ボイド(トゥールの娘)のthe 17th annual Scripter Award、best film adaptation of a book or novella受賞時のコメントを引用したいと思います(脚色家のポール・ハギスと共に受賞)。

This evening, my father watches from above as we celebrate his work. He watches from above as his children bathe in his glory. My father won his fight and now rests in peace.

娘さんのコメントに思わずもらい泣きしてしまったのは、原作を読んでいるせい、そして訳者あとがきに書かれていたトゥールの言葉が印象に残っているからなのですが(注)、脚本家のハギスは脚色にあたって「トゥールのストーリーの美しさを守り、トゥールが恐れていたような"another bull-boxing movie."にならないように気をつけた」とも語っています(17th annual Scripter Award)。

今回アカデミー賞の脚色賞は「サイドウェイ」のアレキサンダー・ペインとジム・タイラーでポール・ハギスは受賞を逃していますが…(実は「サイドウェイ」の作者、レックス・ピケットのインタビュー抜粋も用意していた 笑)

私はまだこの「ミリオンダラー・ベイビー」を見ていないのですが、これを映画化する…と聞いたとき"素晴らしくいい題材であるが、映画化は非常に難しい"と思った。
昨年米でこの映画が公開された後は評価も高く、この映画がオスカーを受賞して欲しい、と思っていたけれど、実際に受賞するのは難しいのではないか…とも(笑)。
きっといい映画に仕上がっているんだろうね(トゥールが映画を見て何と言ったか聞きたかったなあ。今日も上から見てたかね?)。
日本での公開が楽しみです。


注 「自分は、全ての女性との関係に失敗し(トゥールは何度か離婚している)、父親としても失敗し、闘牛士としてもマタドールになれなかったし(海軍勤務後、メキシコで闘牛士をしていたらしい)、確かに物は書きはしたが、小説家とはいいがたい」 (「テン・カウント」早川書房 訳者あとがき より カッコ内ははむちゅう)

表紙 テン・カウント 早川書房
参考 USC Scripter Award
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by hamchu | 2005-02-28 14:13 | 映画と原作者 | Trackback(2) | Comments(1)